頭が良い・回転の速い人だけが、仕事が早いと思われる訳ではありません。高学歴者でも仕事遅いと思われる人もいます。特に仕事が遅い人は、能力の問題ではなく、やり方の問題の方が大きいと思われます。
そして、仕事の早い人は、速く見せていると言い換えた方が良いと思います。そのための行動として、3つの特徴があります。
仕事は、早い?速い?
辞書の話は別として、「速い」は、車のスピードなど、一定期間内にできる量が基準と思います。仕事で速さを求めても個人の能力差は必ずある一方で、機械・コンピュータ主流の時代に、人間同士の速さの差など、仕事では大差はないと考えています。
もちろん、技能が必要な仕事であれば、親方と見習いなら速さも正確性も違いますが、ある一定レベルになると”速さ”ではなくなるはずです。特に多くの仕事で、速さだけで勝負する事はありません。
例えば、運転技術が同じなら、車で時速10km速く走る違い程度で、(距離によりますが)到着までの時間は5分と変わりません。車の運転であれば安全性であり、仕事だと正確性は、速さと相反することもあります。
仕事に求めるのは「早さ」です。他と比べて早いを目指すのが理想です。
ただし、意味のない早さでも駄目です。返答や対応が早くても、ただ単純に「確認します」とか返答だけ毎度早くても、徐々に「返事だけはいいけど…」と思われて、早いと感じてもらえません。
仕事を速くみせて早く
ずば抜けて処理能力が高く、目に見えて処理が速い人は仕事でも当然居ますが、それはスポーツで言うならオリンピックレベルの人であり、そんなに頻繁に出会える人物ではありません。自分自身がそうである可能性も低いです。
しかし、普段の仕事で、同僚や客先あるいは他社の中で、仕事が早いと感じる人は頻繁に居ると思います。
その人たちは、本当に能力が、ずば抜けているからでしょうか?
多分、違います。
多くの人たちも、自分自身と同じくらいの能力しかありません。極端に高い学歴を持っている人でも、仕事が早いのは、学歴でカバーしているわけではありません。
人間の能力は、ある程度の限界があります。コンピュータの様に解析・処理・計算することもできません。また、数時間や数日といった差が、能力的な差だけで発生しません。
ほとんどの人が仕事を早く見せるようにしているからです。
早く見せるとは、手抜きをする事ではありません。本当に、仕事をこなした上で早いのです。その為に何をしているかを3つ紹介したいと思います。
仕事の早い人の3つの特徴
用意周到
「経験者は飲み込みが早いな」と聞いたり言われた事があると思います。下地がある人は、やはり覚えるのは早いです。だからと言って、彼らが下地を作る時間も含めた場合、未経験者の他の人たちとトータルでは時間的には変わりません、あるいは長い時間過去に費やしています。
車で目的地まで早く着く場合、スピードを速くしても大差がないと先に書きましたが、最も早くする方法は、事前に渋滞情報や道順を調べる事であり、用意です。
用意や準備が非常に大事です。知識も用意の一つです。知識とは事前に勉強したり学んで覚えている事ですから、用意をしようと思って勉強していなくとも、事前準備・用意した事になります。
決断が遅いと言われる人は、情報がそれだけまだ入っていないか、整理されていないから遅いのです。しかし、しっかり用意周到に検討していれば、決断も早いはずです。
普段の生活でも、何の予備知識もなく、例えば電気屋さんに行って洗濯機を買うとして即決できるでしょうか?ネットで調べ、価格の相場や標準機能を理解した後、行けば即決も可能です。電気屋さんは、この人決めるのが”早いな”と感じます。
そうです!!多くの人は、あなたの切り取った一部しか見ていないです。仕事も同様で、顧客や上司は一部しか見ていません。しかし、切り取られる前で、仕事が早いかが決まるのです。
仕事が早いなと言う人は、事前に努力をしているとも言えます。もし、他の人を、頭が良いから仕事が早いと思っているなら、その人の努力を否定しています。
切り分けて考える
全部が整うまでスタートしない人がいます。
簡単な例だと、客先から質問が3つあり、1つが自分で答えられる場合でも、他の2つを確認出来るまで返答しない人がいます。数日返答をしないこともよくあります。これでは客先から対応の遅い会社・担当と思われます。もし、1つでも早々に回答しておけば、遅いとは思われにくいです。
タスクが複数ある場合、どの順番でするかも重要です。人間の頭は倉庫ではありません。在庫管理のようにファーストイン・ファーストアウトする必要はありません。納期が早いタスクから進めたり、簡単な物から処理をするようにします。
しかし、タスク1つが完全に完了できるまで、他に手をつけないのも良くありません。タスクを切り分けて考え、その中でも進められる物から進めます。進めて完了した物からアウトプットすれば、周りの人間は順次レスポンスがあると感じます。
このやり方は、結果的には、速さは全く変わらない事もありますが、周りの受ける印象は、最も変わる方法です。
聞くのが上手い
2つの意味合いがありますが、1つは、回答を待つ姿勢です。
物事を尋ねた後は回答をただ待つだけではなく、回答を早く得るために様々な手を使うことです。
仕事を一人でしている人は限られます。多くの人がチームで行い、誰かに質問・確認をします。その際にどんな対応を取るかでも、組織としての早さは格段に変わります。
尋ねた事や質問したことを直ぐに返してくれるほど社会は甘くありませんし、いい人ばかりではありません。どの様に自分が欲しい回答が早く返ってくるかを考えて、行動する必要があります。
上司・顧客が切り取った一部しか見ていないように、担当者や対面した人しか誰も知りません。バックボーンとして動いてくれる同僚・仲間の活動を知られていなくとも、組織・チームのスピードを上げるのは、バックボーンが早く動いてもらう必要があります。
周りを早く動かすのに、普段からの人間関係等のモチベーションが関わる場合もありますが、単純に催促をするだけでも違ってきます。黙って待っていても変わりません。
もう一つは、人の意見や考えを上手くとり入れる人です。
「今更始めるの」と思うことを、他人を見ているとあると思いますが、聞き入れるタイミングで、その後の動きや判断は大きく変わります。
ただ闇雲に聞き入れるだけでは、人に流されやすい人と思われるだけですが、人の意見を一旦聞いておくことは重要です。その相手が例え嫌いな人間、部下や後輩でも将来的には役立つ情報を出してくれている可能性もあります。
話を聞くのが上手い人は、「誰が言った」ことよりも、内容を重視していると思います。自分自身に影響する役立ちそうな事であれば聞いています。
また、自分が聞きたい回答を待つような聞き方も良くありません。イエスマンが大好きな上司はこの様な聞き方をしますが、それでは全ての情報も話も入ってきません。様々な考え方があることを理解し、話を聞くのが良いです。
仕事を早く見せるまとめ
仕事を早い人になるには、用意周到であることがまず最初に始めることです。Wordの使い方を事前に理解すれば、書類作成は早くなるはずです。
書類を作る時も、1から順番に作るのではなく、2からでも5からでも、どこからでも始めれば、全体の進行も早くなるはずです。最終的にまとめる際に順番を直すなどをすれば良いのですから、出来る所からするのは重要なことです。
最後に、人の話は聞くべきです。地位や名声が高い人が言うことがばかりが、自分に適切とは限りません。多くの意見を取り入れるためには、誰が言ったよりどんな内容かを重視、柔軟な姿勢を持つことが、将来の決断にもきっと役立ち、早さが出るはずです。
仕事には早さです。