海外に行った際は、夜は基本ホテルの無料WiFiを使っていますが、昼間の外出時のメールのチェックやマップを見るのは現地SIMを購入し対応しています。しかし、期間や訪問先によっては現地SIMの方が高くなることもあるので、まとめたいと思います。
海外での通信手段は大きく分けて5通り
1. ローミング
大手3大キャリアはデータローミングのサービスも提供しています。最も手軽な方法です。物理的な準備や余分な端末も必要ない場合が多いです。事前の申し込みが必要な物もありますが、何もせずに使い始めることが可能です。
旅行中全ての期間ではなく、24時間単位で計算されるパッケージもあるので、移動日など不必要な日のための出費がありません。
SoftBankのアメリカ放題などは、Softbank契約者でアメリカによく行く人向けのユニークな方法もあります。
docomoの場合だと

画像:docomo
各キャリアへのリンク
長所:手軽
短所:高額/設定を注意
2. Wi-Fiレンタル
日本でWi-Fiの端末を借りていく方法です。(事前予約が必要な場合あり)空港で受け取り返却もできるので便利です。1台あれば友人の端末やタブレットなど複数端末を繋げることができます。グループで行く場合は有効です。
複数国や期間によりコストが高くなる場合があります。また、費用は3Gまたは4Gを選ぶか、訪問先によっても異なります。
言葉の問題など現地で不安な思いをせずに、空港に着いたらすぐに使えて便利です。特に初めて行く国では、プリペイドSIMがあるのか、値段が安いのか分からないので、リスク回避に最適です。
また、1日500MBほど使えるので、かなりのデータ通信が可能です。ある程度の通信をしたい人にはWiFiが良い選択です。
長所:複数端末に対応する。手軽。
短所:バッテリーの心配や余分な荷物になる
3. スタバとかウロウロ
スタバやお店によっては無料WiFiを提供してくれています。冗談でもケチでもなく、”Starbucks Anywhere“とみんなが口をそろえるほど、かなり遭遇できます。
ショップを事前に調べておけば休憩がてら寄って通信ができます。また、イベントやショーの会場でもWi-Fiが無料のことが多いので、イベント・展示会に行く目的であればほとんど事足りる場合があります。
Free Wi-Fiのマークが店先にあったり、外から電波を拾って確認もできるので、特に都心であれば、他の方法と合わせて補助的に活用できます。
長所:安いまたは無料
短所:場所が限られる
4. 現地SIMを購入
SIMフリー端末があれば、多くの国で低額でデータ通信を行うことが可能です、テザリング出来るので、複数端末でも1枚のSIMで運用が可能です。特に、日本にいる感覚で使えるのが嬉しいです。
ただし、いくつか注意点があります。
1. SIMフリースマホを普段から使っていることが前提です。新たに端末購入となると、最も高額な方法になる可能性が高い。
2. 国によってはデータ通信量が大きいのや期限が長いのしかなく、高くなる可能性がある。
そのため、数日など短期の滞在には不向きですが、個人的な経験ですと、香港・マカオ・タイ・台湾・イギリス・ドイツは安いので2〜3日でもおすすめです。1週間やそれ以上の中長期間の滞在であれば低額な方法です。
ただし、安いパッケージは500MBまでと足らない場合もあり、追加チャージすると高くなる可能性があります。
3. 端末によっては、キャリアによって使えないや低速のみしか対応出来ない場合があります。iPhoneは6S以降はほぼ全ての国々の帯域に対応ができていますが、格安のスマホの場合、電波帯域が限定的な対応しかなく、4G・LTEが使えず低速な場合があります。
4. SIMカード毎にパッケージが異なるキャリアもあります。通話料金やデータ通信量なども変わるので注意が必要です。例えば、定額データと従量課金型パッケージなどがSIMカードで異なります。
5. 普段使っているスマートフォンに現地SIMに差し替えた場合、日本の電話番号が使えなくなります。連絡先を別に用意する必要があります。
5. 現地SIMの最大のデメリットは面倒さです。購入場所を探したり設定の手間があります。簡単に空港で安いパッケージのSIMが買える国もあれば、空港は高額の物しかなく、また手続きに(パスポートをコピーして、書類にサインや、使用渡航目的を質問されたりと)30分位かかるところもあります。
長所:安い
短所:使えるまでが面倒
5. 海外対応SIMを使う
まだあまりメジャーではありませんが、Apple SIMや、HISの変なSIMなどで、日本で手に入れる事ができる海外用SIMがあります。日本で準備ができるので、海外ですぐにも使用可能です。
ただし、変なSIMなら、SIMフリー端末が、Apple SIMの場合はiPadセルラーモデルが必要となります。また、Apple SIMは、現地SIMを買うのと同じような形であり、対象国やキャリアによって金額が変わります。
長所:手軽
短所:端末が限定
海外での通信手段の選び方
MVNO(格安SIM)を使用している場合、1番目のローミングの選択肢はありません。一方で最近の大手キャリア端末はSIMロック解除がほとんど出来るので、スマホであれば現地のSIMカード購入も可能な場合があります。
各訪問国の滞在期間で選ぶ
滞在期間が非常に重要です。実は、これによって選択肢は自ずと決まります。もちろん現地SIMを使う場合は、販売有無や価格を事前に調べておく必要があります。
1泊(乗り換え等)
乗り換えで1泊の場合等は、ホテルか空港内の無料Wi-Fiで対応で十分かと思いますので、3番目のスタバをウロウロをお勧めします。昼間も滞在なら手っ取り早いローミングも選択肢の一つです。
ヨーロッパ周遊等の1泊づつ複数国訪問する場合
ヨーロッパの場合は、現地のSIMは、EU内はローミング代を請求しないと法律があるので、現地SIMを購入が良いです。ただし注意するのが、スイスなどEUでないところは法律適用外ですので、現地SIMでも請求があります。
2~3泊(アジア圏の旅行やヨーロッパ周遊旅行)
アジア圏で2~3泊の場合、Wi-Fiレンタルがお勧めです。Wi-Fiレンタルは借りた日から返却の日までですので、長距離移動の場合1〜2日使わず払うことになりますが、近距離だとフルに使えて手軽で、欧米より低額な場合もありお勧めです。
ただ、現地SIMがめちゃくちゃ安い地域もあります。例えば香港だと2,000円以下だったり、タイも1,000円程度です。あまりデータ通信をしない場合は、期間が伸びれば伸びるほど、現地SIMがお得です。
ヨーロッパ周遊をすると、移動距離は短いですが様々な国に行く事になり、各国でSIMを買うと高額になり毎回手続きがあると非常に面倒ですので、オススメしません。
そのため、転々とする際は、ヨーロッパ周遊対応のWi-Fiレンタルか、IIJmioの海外トラベルSIMなど、国毎に手続きなどが要らないタイプが、お勧めです。
4~7泊(中長距離の旅行先でゆっくり滞在、アメリカなど)
1カ国にある程度の期間滞在するなら、ほぼ現地SIMが最もお得な手段です。アメリカはプリペイドSIMが高い(50ドル位したかと)ですが、1枚あればニューヨーク・シカゴ・ロス等、どこでも使えるので全然お得です。ヨーロッパも1カ国に4泊程度滞在するなら、Wi-Fiレンタルよりお得な場合もあります。
8~30泊(中長期の出張や短期留学など)
基本、現地SIMかWi-Fiレンタルです。SIMフリーの端末がないなら、SIMが挿せるタブレットを2万円位で購入して現地SIMでテザリングするか、現地で非常に安いAndroid機とSIMを買うのも1つのアイデアです。後々旅行用にも使えます(ただ、スマホは数年で大きく変わるので使わないなら、もったいないです)。
Wi-Fiレンタルにも長期(30日)で40%オフなどお得なプランを提供しているので、国によってはお得になる場合もあります。ただし、現地SIMだと現地の国内無料通話がパッケージに含まれることもあるので、電話を使うつもりなら現地SIMです。
タイプで選ぶ
煩わしいことを一切したくない
ローミング一択です。海外ローミングが使えるになっていれば、持っていくだけです。Wi-Fiレンタルは郵送または空港での受け取りなどがあります。海外対応SIMでもSIMの差し替えがあり、現地SIMは当然面倒ですので、ローミングしかありません。
到着したらすぐに使いたい
ローミング・Wi-Fiレンタル・海外対応SIMの、3タイプがお勧めです。到着してすぐ使うには、日本で準備している事が前提ですので、これらの方法になります。
余分な物は持ちたくない
現地SIMを購入・ローミング・海外対応SIMを使うかの、いずれかになります。Wi-Fiレンタルは端末を別に必要です。また専用の充電機器も渡されるので、手荷物は増えてしまいます。ホテルのコンセント数も限られるので、充電の面倒さを避けたい人もこのタイプです。
安くしたい
スタバをウロウロしたりとFree Wi-Fiスポットを探すしかありません。またはSIMフリー機があれば現地SIMを購入するか、滞在日数からトータルコストを試算し、安いのを選ぶ必要があります。行き慣れた国や、ネットに情報が多い国しか、最安は難しいです。
電話したい
050電話やSkypeなどのネットを使う方法は、日本にかける際には安くなりますが、データ通信が出来れば使えるので、何でも問題ありません。
ただ、現地で国内通話を考えているなら、現地の番号が持てる現地SIM購入の一択です。
海外での通信 豆知識
タブレットは親機にベスト
タブレットは、バッテリーサイズが非常に大きいので、実はテザリングをする際の、親機に最も適しています。7~8インチ位のタブレットでも、1日中バッテリーを気にせず使えまし、最近はAndroid系SIMフリー機が、結構安く購入できます。
1台あると、機内で電子書籍や動画を見たり音楽を聴いたりと、旅行時に大変重宝します。
iPhoneが海外SIMで使えない?
MVNO(格安SIM)で普段使っているiPhoneを、海外の現地SIMでデータ通信ができない時があります、電話は使えます。
以前、現地でApple Storeの人もキャリアの人も分からず、使えないのかと諦めかけましたが、1つづつ関係しそうな設定を消去し、2時間ほど道端で頑張り原因を発見しました。
問題ありません。使えます!
プロファイルを消去するだけです。


MVNO(格安SIM)でiPhoneを使用する時の最初の設定で、何かダウンロードしたと思います。
iPhoneの、「設定」→「 一般」から一番下の方に行き、プロファイルがあれば、それを消去します。これで使用可能です。1〜2分待つと使えます(再起動が必要な場合もあります)。
日本に戻ったら、そのままではデータ通信ができませんので、空港のWi-Fiを使い再度プロファイルをダウンロード・インストールすることを忘れずに!IIJmioであれば、こちらから再ダウンロードです。
050番号で安く電話を受ける
050電話は海外でも、国内通話の様に電話を受けることが出来ます。普段使っているスマートフォンに現地SIMを挿す場合は、国内の電話番号に繋がらない事もあるので、050電話だと番号が変わらず受けることが出来ます。
しかし、家族以外の知り合い全員に、新たに050番号を教えるのは面倒です。
その場合は、普段の080/090の携帯番号への着信を、050番号へ転送する様に設定します。080/090から転送され海外にいる自分の050への着信は、直接080/090への着信を海外で受けるより、かなり安い費用で運用可能です。
転送時は、080/090から050の通話料は、こちら側(受話側)の負担になりますが、それでもローミングで電話を受けるよりは安いです。電話をかけた相手は国内の080/090へかけた料金です。
海外のキャリア
使用経験がある海外キャリアをコメント付きで一部紹介します。
- アメリカ:T-Mobile (手続きに時間がかかった)
- イギリス:EE (安い。街中に行く必要がある。何回か利用したが丁寧です)
- ドイツ:T-Mobile (安い。サイトはドイツ語、英語は通じる。安い10ユーロ位)
- オランダ:T-Mobile, Vodafone (安い。サイトはオランダ語、英語は通じる。安い10ユーロ位から)
- イタリア:TIM (手続きに時間がかかった。英語は訛りが強いが通じる)
- 香港:China Mobile (安い。空港内あり、設定までしてくれる。)
- マカオ:CTM (安い。港に自販機もある)
- シンガポール:Singtel (安い。空港内あり)
- タイ:AIS, dtac, true move (安い。3社ともに空港内あり、いつも混んでる。英語は片言。コンビニでもSIMは買える。)
- 台湾:会社忘れました。(安い。空港に数社あり、英語は片言。街中でも値段変わらず。)
*海外のSIMの値段はパッケージの廃止や新設のため頻繁に変わります。期間の短い人向けの安いSIMカードがない場合もあるので、訪問国のキャリアのホームページで調べておくことをお勧めします。また、安いパッケージのSIMは特定のショップしかない場合もあります。
いかがでしたか?最近は、Wifiレンタルも安く手軽になっています。現地SIMは定額で便利で、海外旅行や出張を頻繁に行く人なら、使い慣れていると思いますが、一番安いとも限りません。日程などを考えて使い分けるのがベストです。