ポジティブシンキングとかプラス思考などと言う人をよく見ますが、そんな本が巷には多いのでしょうか?
しかし、そんな彼らと話していると、得てしてなんか違うぞと思います。むしろ、
臭い物に蓋をしたいの?
と、感じます。個人的には、彼らのポジティブと言われる言葉は総じて、都合の悪いことは忘れよう的な発想が多くあると感じます。それより、建設的な話をしませんか!
本当に前向きな人とニセモノ
ニセモノ(前向きさを作った感のある人)の口癖、
「もっと前向きな話をしよう!」
「面白い話をしようよ」と言う人は、得てして面白い話を聞きたいだけで、自分から出来る訳ではないと思います。面白い話が出来る人は、場の空気を読みつつ、勝手に面白い話を始めてくれます。前置きはありません。
前向きな人も同じで、勝手にと言うか周りを巻き込むように前向きに話を進めます。問題があれば修正案を出したり建設的にゴールに向かって話していると思います。
そして、ニセモノの一番悪い所は、この「前向きな話をしよう」発言で、現状に蓋をする所です。現状を見ないで行こうとするのです。
「終わったことは仕方ない、次どうするかだ」
と、カッコよく言う人もいますが、「ちょっと待て、だからそれ今話しいる」と思いますよね。何を格好つけているんだ!です。
終わった事を仕方ないで締めてしまって、次に繋がるのでしょうか?
アメリカ人は前向きな人が多いのか?
当然全員ではないと思いますが、しかしやはり上手いなと感じることが多いです。
例えば、仕事でありましたが、納品する物に不良が見つかり納期が守れない際に、同僚のアメリカ人に連絡すると、最初に言った言葉が、
しっかり検査し不良を見つけてくれて、ありがとう!
でした。(もちろん、その後は何時納品できるなど業務的な話です。)
例えば、他に何て言われる事が多いですか?
「仕方ないな。」
「何をしている。どうしてくれる!?」
「馬鹿野郎!」(最近は居ませんかね)
「…」(無言)
「納期守れないなら、・・・・」(ネチネチ)
などでしょうか。
次にすることは、プロですから分かっている者同士の会話であっても、一言目が違うだけで、全然違う感じになります。上記の例だと間違いではなく人を否定している感じもあります。
次に繋がるとは、こう言った言い回しの問題でもあると考えます。
最初のアメリカ人の発言は次へのヒントでもあります。不良流出は非常に悪い、そしてそれを阻止できたのだから、出来る方法はすでに分かっている、次は不良を出さず納期を守るためにと、自ずと次(次の為の解決策。例えば、検査タイミングを変える)が導き出せます。
建設的です。
できない理由を見つける
日本の製造業は総じて何時でも評価が高いです。品質が良いなど消費者からの評価もありますが、納期を守る不良が少ないなど、B2Bの世界でも評価は高いです。(「ただ、値段が…」とも言われます)
昔からよく日本の製造業を他国と比較する際に言われるのが、不良があれば日本企業は、限りなく不良をなくす事をする。一方で、他は不良分を見越して余分に作る(1割不良があるなら、約1割多く作る)とあります。
不良をなくすことは、現状のダメさ加減を洗い出し、出来ない(出来ていない)事を見つける、一見後ろ向きな作業にも見えます。一方で、不良分を見越して作るのは、「不良は仕方ないが、顧客には良い物を渡す」とすごい前向きでポジティブそうな発言です。が、
臭い物に蓋ですよね?
不良を無くそうとしていないですよね。できない理由や事柄を見つけることで良くしないと、前に進んだとは言い難いです。
*”アメリカ人が”とか”日本の製造業”がと書いていますが、強いて言えば、元々日本人は建設的な思考なのです。それがいつの間にか変になっている。
ただの否定ではない
しかし、ただ否定をするのではありません。あれはダメ、これはダメでは、ヘイトスピーチです。他の簡単な例だと、「プログラムのバグを見つけて直す」です。バグを見つけて書いた人やその人の仕事を否定するのではありません。
理由を知り、直す手助けにする。また、できない理由・事柄を見つけることは、出来る事も見つけているとも言えます。
建設的な話とは

それでは、建設的な話とは何でしょうか。
要は、経験や知識を積み上げる(上げられる)様に話す事だと考えます。
悪い事・失敗談でも、無かった事にせず、それをどう改良するればよく成るかと、受け入れる事が大前提であり、受け入れるのは過去であり、嫌な事でも良い事でもあるはずです。
そして、チームで行なっていた場合、気付いた人間が発言をする事になり、ダメ出しになる事も当然ありますが、次を本当に良くするためにだけ考えた言葉として話し合えば、前向きな(建設的な)話となるはずです。
聞く側も建設的に
当然、指摘するのにも言い方が大事ではありますが、問題がある時、問題を指摘・見つけた人は何も悪くありません。
聞き手側が、その者を否定することは出来ません。否定するのは、いい格好しいの人間であり、かなりチームにとって迷惑な人間であり、臭いものに蓋をする行為です。
聞く側・話す側が、よくするために何をどうするかを考えて話せば自ずと建設的な会話が成り立ちます。その時、会話の中にポジティブ・ネガティブなどの縛りは存在せず、自由な会話や議論ができるはずです。
英語でも、”constructive“(建設的に)と単語もあり使います。なぜこちらの言葉が、日本にもっと入ってこないのか不思議なくらいです。